2017年05月17日

18頭の指名手配犯(The Wanted 18)カナダ・パレスチナ・フランスのアニメーション

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-12275409329.html
2017年5月17日

《転載開始》

現在、6月の展覧会のためのイラストを鋭意制作中なのですが、
最近ブログの更新をしなさ過ぎると思ったので、
程々に更新しようと思い、凄く書こうと思っていた、
アニメーションの記事を書かせていただきます。

The Wanted 18.jpg

The Wanted 18_2.jpg
The Wanted 18 - Film fra Sør

The Wanted 18_3.jpg

Youtube


【監督】(Directors)
アーメル・ショマリ(Amer Shomali)
ポール・カウエン(Paul Cowen)

【脚本】(Writer)
ポール・カウエン

【制作会社】(Production Co)
Bellota Films(フランス)
Dar Films Productions(パレスチナ)
Intuitive Pictures(カナダ)
National Film Board of Canada (NFB)(カナダ)

【時間】(Runtime)
75分(75 min)

【言語】(Language)
アラビア語、英語、ヘブライ語、フランス語

【初公開日】(Release date)
2014年9月12日(トロント国際映画祭)

【資料】(Database)
The Wanted 18 (2014) - IMDb
The Wanted 18 - Wikipedia English

今回ご紹介するのは、
カナダ、パレスチナ、フランスの合作の、
人形アニメーションです。

「パレスチナのアニメーションって、無いのかな?」
という疑問を、割と以前から思っていまして、
確かその当時は検索しても見つけられませんでした。

それもその筈で、今回紹介するアニメーションは、
パレスチナ初のアニメーションの様なのです。

最近再び検索して、今回のものを見つけたわけです。

日本語で紹介している方は、極僅かですがいます。
(後述します)

紛争地とか占領地などでのアニメーション制作は
その置かれた状況からして容易ではないと思うのですが、
それでも「とりあえずは」その存在を確認する様にしています。

例えば私は、
以前に「チベットのアニメーション」を調べた事があります。
少女のドルマ(ན་ཆུང་དུས་ཀྱི་སྒྲོལ་མ, 2008)チベットのアニメーション
2012年08月30日

ན་ཆུང་དུས་ཀྱི་སྒྲོལ་མ 2008.jpg

「少女のドルマ」というのですが、
チベットを舞台にしたファンタジーアニメーションとはいえ、
やはり中国による制作です。
(※「ドルマ」は「ドェーマ」が原音に近いらしい)

チベット人が制作するとしたら、チベット国外で、となるのだろうか?
と思いました。

今回紹介するアニメーションも、
パレスチナの映画制作会社単体での制作ではありません。





それでは、本題に移ります。

この作品は、前述の通り人形アニメーションなのですが、
よく見ていると、モノクロでもあります。

「エレファントマン」(1980年)を思い出してしまいましたが、
18頭の牛が指名手配されるという奇想天外な内容なので、
最初はファンタジーかと思いました。

ところがどっこい、実は、実話を元にしているそうです。

「第一次インティファーダ」(1987年)という事件に於いて、
パレスチナの酪農家の所有する牛が、
イスラエルにとって国家安全保障上の脅威と見做されたため、
その追跡を逃れようとするという内容です。

「インティファーダ」(انتفاضة)というのは、
アラビア語で「振り落とす」という意味があるそうで、
主に「蜂起」「反乱」の意味で使用されている様ですが、
日本では特にパレスチナに於けるものを指すそうです。
インティファーダ - Wikipedia

実はとても政治性がある作品ですが、そのせいなのか、
イスラエルのアニメーション「戦場でワルツを」(ואלס עם באשיר)の様に、
日本ではまともに紹介されていません。

現政権が親イスラエルだからかも知れませんが。

また、極僅かな日本語での紹介記事によれば、
アーメル・ショマリ監督が、
「ヒューマン・ライツ・ウォッチ映画祭」(ニューヨーク市開催)
に出席する筈であったものの、
イスラエルから「安全保障上の脅威」と見做され、
米国ビザの取得が妨害され、渡米できなかったそうです。
(ヨルダンのアンマンでは、機械が故障したと言われて取得できず)
インティファーダの牛についての映画「ザ・ウォ ンテッド18」 米国とイスラエルがパレスチナ人映画製作者をNYプレミアから締め出す

Wikipediaによれば、
「第88回アカデミー賞」の外国語部門の
パレスチナのエントリーにもノミネートされなかったそうです。





他にもパレスチナに関係するアニメを探してみたところ、
以下の作品を知りました。

Closed Zone.jpg
Youtube

「Closed Zone」(2009年)
という作品ですが、コレを制作したのは、
ヨニ・グッドマン(יוני גודמן‎)という方ですが、
イスラエル人の様です。

自国政府批判的な作品ではないかと思うのですが、よく作ったなと。
イスラエル人でも、イスラエル政府に批判的な人は勿論います↓
反ネタニヤフのデモに数万人のイスラエル人が参加 【市民の逆襲】
パレスチナ情勢 世界のデモとシオニスト思想
「世界の裏側ニュース」さんより

Black Tape.jpg
Youtube

「ブラックテープ」(Black Tape)は、イスラエル人、
ミシェル・クラノット(Michelle Kranot)とウリ・クラノット(Uri Kranot)
による2014年の作品。
時間は3分と短い。

「銃を構えるイスラエル兵士と丸腰のパレスチナ活動家がタンゴを踊る。
足元に絡まる黒いテープ。
小気味よいタンゴと二人の足さばきとは裏腹に、明らかにされる暴力。」
Vol.12 WAT 2016 世界のアニメーションシアター | Animation Runs!

White Tape.jpg
Vimeo

「ホワイトテープ」(White Tape)
は、2010年の制作で、「ブラックテープ」の前作にあたります。
最初は抽象画をアニメーションにした様な感じですが、
段々と具体的な形象に近付いて行きます。
こちらも、2分9秒と短い作品です。

「足元に引かれる白い線、揺れ動く白い線。
イスラエル兵が引く白い線に追い立てられるパレスチナの男たち。
白い線は訴える、占領されているという現実を…。」

パレスチナ問題フォーラム.jpg
Twitter



「東京ボランティア・市民活動センター」によるフォーラムのプログラム
「パレスチナ問題を若者たちと語り合いましょう」に於いて、
パレスチナの子どもが作った児童労働に関するアニメーションが
上映されたそうですが、そのアニメーションを探し出しました。

パレスチナの子どものアニメ_1.jpg

パレスチナの子どものアニメ_2.jpg
Youtube

「ガザ・ナワール子どもセンター」
でパレスチナの子どもたちが制作した切り絵アニメーションですが、
かなり悲惨な内容です。
子どもにこんなアニメーションを作らせる様な現実を
変えないといけないと思います。

でも、絵柄はシンプルながらも独特のものを感じましたし、
この作品から「未来のアニメーター」の姿を見出しました。

パレスチナの子どものアニメ_3.jpg
Youtube

こちらも同じく、パレスチナの子どもたちが制作したアニメーションですが、
政治性は無く、純粋に娯楽的なものです。

しかも、物語、撮影、編集、声の出演など、全ての工程を
子どもたちが行っています。

幾つかの短編で成り立っていますが、
その中でも動物アニメは、ケモナー的に凄い気に入っています。

何はともあれ、
パレスチナ人とイスラエル人が、
お互いに仲良くなる事を、
心より願っています!!

《転載終了》
posted by Satos72 | ├ カナダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月06日

ヴンシュプンシュ(Wunschpunsch, 2000)カナダ・フランス・ドイツのアニメーション

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11764721068.html
2014年2月5日

《転載開始》

Wunschpunsch 2000.jpg


【原作】
『魔法のカクテル』
(Der satanarchäolügenialkohöllische Wunschpunsch)
ミヒャエル・エンデ(Michael Ende)

【監督】
フィリップ・アマドール(Philippe Amador)

【キャラクターデザイン】
アンドレアス・シュトロツィク(Andreas Strozyk)

【スタジオ】
スィネ・グループ(CinéGroupe)

【資料】
Wunschpunsch - Wikipedia English

オープニング(ドイツ語版)
http://www.youtube.com/watch?v=D5YYoY9l9Ew


オープニング(英語版)
http://www.youtube.com/watch?v=UqGKGVkkFEU


これは色んな意味で興味を惹いたアニメです。

まず原作は、『ネバーエンディングストーリー』や『モモ』などで、
日本でもよく知られている、ミヒャエル・エンデです。

それから、OPの映像も、目まぐるしい展開で見応えありました。

更に、タイトルにも深い意味が隠されているのを知って、
ちょっと小躍りしました。



◎「ヴンシュプンシュ」とは?

題名の「Wunschpunsch」に込められた意味ですが、
「Wunsch」は「願望」を意味するそうです。

それから「punsch」は「ポンチ酒」を意味するそうです。

つまり、「ヴンシュプンシュ」とは、
「望みを叶えるポンチ酒」
という意味です。
みそか猫 - みみずのしゃっくり

「ポンチ酒」とは、ブランデー、ラム酒などの酒に、
果汁、砂糖などを加えた飲み物の事だそうです。
ポンチ酒って知ってますか? - Yahoo! JAPAN

ネット上にある説明文には若干ズレた内容がありますが、
地域に拠って「ポンチ酒」の内容が異なるからと思われます。
でも「酒に砂糖と香料、水を加えたもの」
というのは共通している様ですね。

>ポンス酒は レモン カボス ダイダイなどの柑橘類に
>酒や砂糖を加えて温めて作るそうです。
>材料的には 水 砂糖 酒 レモンジュース系 スパイスを
>混ぜ合わせてつくるそうです。

英語でいう「パンチ」(Punch)もその部類でしょう。
>水・砂糖・酒・ライム果汁・香辛料
>の5種類の材料でできたカクテルの一種。
>果物を入れるとフルーツパンチになる。
パンチとは (パンチとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

スウェーデンなどの北欧は「プンシュ」(Punsch)ですが、
果汁は加えられていない様です。
>スウェーデンと北欧の少数の国々で作られている
>アラック、蒸留酒、砂糖、水と幾つかの香料から出来た
>伝統的なリキュールである。
プンシュ - Wikipedia

「ヴンシュプンシュ」の「プンシュ」は、どちらかというと、
北欧の「プンシュ」を意識したものではないかと私は思いますが。



◎原作の題名を直訳すると・・・?

原作タイトルは、
「Der satanarchäolügenialkohöllische Wunschpunsch」
という様に、非常に長ったらしいですけど、
邦題は『魔法のカクテル』としているそうです。

日本語の語感を考えれば、長い直訳タイトルなど出せるわけが無く、
コンパクトにまとめた題名にするだろうというのは分かりますが、
やはり、好奇心旺盛な者としては、原題の意味が知りたいわけで。

そんな時、わざわざ訳してブログに書いている方がおられました。
>【Wunschpunsch】: 樅の木の「新明解独毒辞典」

「satan」(悪魔)

「anarch」(無政府状態の)

「archäolog」(考古学者)

「lüge」(嘘)

「genial」(天才)

「alkohol」(アルコール、酒)

「höllische」(地獄の)

等のかばん語(混成語)ではないか?だそうです。

つまり、
「Der satanarchäolügenialkohöllische Wunschpunsch」
とは、
「悪魔のような無政府状態を研究する
考古学者の嘘の天才の酒地獄の、望みを叶えるポンチ酒」
という意味でしょうか?

また、アニメとは直接関係無い話に拘ってしまいました。

毎度いつもの事ですが。



それから、監督は何人なのかよく分からないので、
取り敢えず適当な日本語の名前を充てました。

このアニメは、Wikipediaでも、異なる言語によって情報にズレがあり、
カナダ、フランス、ドイツの合作とするものもあれば、
カナダとフランスの合作だとするものもあります。
私は前者をとりました。

カナダの「CinéGroupe」が中心となって制作している様なので、
「カナダのアニメ」のカテゴリーに入れました。

ドイツ語の題名は「Der Wunschpunsch」という様に、
定冠詞が付きます。

《転載終了》
posted by Satos72 | ├ カナダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
リンク集